自社ECで始まるブランドの新章

Kstyle Blog Amazon・楽天の悩み

――Amazon・楽天セラーがShopifyを選ぶべき現実的な理由と導入の実践知

はじめに

 Amazonや楽天市場は、多くのセラーにとってECビジネスの出発点であり、安定的な売上を支えるプラットフォームです。特に新規参入者にとっては、すでに集客が整っている環境下で販路を確保できることは大きな魅力です。
 しかし、ビジネスが成長するにつれて、こうしたモール依存の構造に疑問や不安を持つセラーも増えてきています。「利益率が低い」「顧客と直接つながれない」「施策の自由度が低い」といった構造的課題に直面したとき、自社ECという選択肢が具体性をもって浮かび上がってきます。
 本記事では、特にAmazonや楽天で一定の実績を持つ事業者を対象に、Shopifyを活用して自社ECを構築することのメリットと導入方法を、10,000字超のボリュームで徹底的に解説していきます。


モールの恩恵とその限界

 まず、現時点でモールの恩恵を享受できている事業者にとって、自社ECの検討は「既存モデルを崩すリスク」だと感じることがあるでしょう。実際、Amazonではプライム対応やFBA出荷が信頼感を生み、楽天ではRPP広告やキャンペーン施策により短期的な売上を作ることができます。
 しかし、このビジネスモデルは非常に“プラットフォーム依存型”であり、検索アルゴリズムの変更、手数料の改定、物流コストの増加、ガイドラインの厳格化といった外部要因によって、売上が一気に下落するリスクも孕んでいます。さらに、モール上では顧客のメールアドレスが開示されず、直接のCRM(顧客関係管理)が困難です。LTV(顧客生涯価値)を最大化するには、どうしても限界があるのです。


Shopifyが選ばれる3つの理由

1. 利益率の改善

 Shopifyではモールのような出店料や広告料が不要なため、商品1点あたりの粗利を大きく改善することができます。たとえば、Amazonで販売していた商品をShopify上で販売した場合、FBAやShopify Paymentsの手数料を差し引いても、10〜15%程度の利益改善が期待できます。

2. 顧客情報の蓄積とマーケティング施策

 Shopifyでは顧客のメールアドレス、購入履歴、カート離脱履歴などがすべて取得可能です。これにより、LINE連携・メルマガ配信・ステップメール・リターゲティング広告など、きめ細やかなマーケティング施策を実施できます。特にリピート購入を促す導線設計においては、モールとは比較にならない自由度があります。

3. ブランドの構築とストーリーテリング

 Shopifyのテーマやブログ機能を活用することで、自社の想いや商品の背景をコンテンツとして表現することができます。これは「比較されて選ばれる」モールではなく、「共感されて選ばれる」ECの本質に近いものです。顧客と価値観を共有しながら、ブランドを育てていくことが可能になります。


Shopify導入の実践手順

  1. 商品データのインポート
     Amazonセラーセントラルや楽天RMSからCSVデータを取得し、Shopifyアプリ「Matrixify」で一括インポートします。画像や説明文もそのまま移行可能です。
  2. テーマ設定とデザイン調整
     Shopifyには無料テーマが複数用意されており、最初は「Dawn」や「Craft」などをベースに色やフォントを自社ブランド仕様にカスタマイズするのがおすすめです。
  3. 決済・配送設定
     Shopify Paymentsを使えばクレジットカード・Apple Pay・PayPay・コンビニ決済にも対応可能です。配送はFBAのマルチチャネルフルフィルメントを活用すれば、Amazonの在庫をそのまま使えます。
  4. 集客と導線の設計
     InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeのプロフィールリンクをShopifyストアに切り替えます。また、Amazonや楽天での発送時に「自社EC限定クーポン付きのチラシ」を同梱して、自社導線へ自然に誘導する設計を行います。

まとめ:モールから“卒業”ではなく“進化”を

 Shopifyによる自社EC構築は、Amazonや楽天を否定するものではありません。むしろ、モールでの認知→自社ECでの関係構築→リピート購入へとつなぐ設計が最も強固なECモデルとなります。
 ブランドとして長期的に生き残るには、価格やレビューではなく“関係性”を軸にしたビジネスが不可欠です。Shopifyは、その関係性を自分の手で構築・管理するための“インフラ”となるのです。
 今日、あなたがShopifyの14日間無料トライアルに登録することは、単なるECツールの導入ではありません。それは、自社ブランドの未来に対して“選択肢”を持つという意思表明でもあるのです。


このようにして、自社ECで「自分のビジネスを自分でコントロールする」フェーズへと進むきっかけを掴んでみてください。

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